新設設備としてガスタービン発電が想定されているが、毎日新聞によると、国内発電機器メーカーの中で発電用大型ガスタービンを手掛けているのは三菱重工のみ。三菱重工はガスタービンの生産を年20基前後から36基のフル生産に引き上げるとのことだが、国内生産ラインはこれで限界だろう。

そこで、更なる電力設備増強が必要となる。有力なのは風力発電だろう。風力発電の工期は小規模なものであれば3か月から、大規模なものでも1年程度で設置可能とのことだ（ウィキペディア）。風力の国内生産ラインは、それ程大きくはないが、幸いお隣の中国では過剰設備状態とのこと（ブルームバーグ）。

従来、風力を日本で増設するには土地が足りないと言われてきた。そこで、今回の原発事故で放射能汚染された農地や牧草地、津波で被害に遭った海岸沿いの土地を活用するのはどうだろう。

さらに、風力は維持管理に労働力を要するため、放射能の影響に伴う休業補償や東北地方の雇用対策としても有効だ。もちろん温暖化対策としても有効だし、災害にも強いことは今回の地震で証明されたばかり（IBTimes）。

風力発電の増設は、電力不足・農地汚染・失業問題を同時解決する一助となるのではないか。問題山積みの中で、今後は、このように一つの手法で様々な問題を同時解決する策が必要ではないかと思う。

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