2012年3月25日日曜日

軍事板初心者質問スレまとめ(FAQ) - 各種重火器



「キャノン砲」という言葉なんですけど、何か定義みたいなものはあるんでしょうか?そもそもそういうカテゴリーはあるんですか?

キャノン砲(キャノン)は本来、小火器(ガン)に対する言葉ですから、火砲全体を指しました。
現代では、小型で極度の曲射弾道を持つ迫撃砲、比較的短砲身で放物線弾道を描く榴弾砲に対して、平射弾道で発射するものをキャノン砲と呼びます。

榴弾砲を直接標準、水平弾道で撃つことも可能ですから(最近の自走榴弾砲ではむしろ当然)、
キャノン砲と榴弾砲の間に厳密な区別はなく、主用途に従って命名した段階で決まると考えるのが妥当でしょう。

まあ、結果として、キャノン砲は平射、つまり水平に近い弾道で長距離を飛ばすために高初速が必要であり、砲身が長くなります。
また、直線弾道で命中すると言うことは、目標が直視できる場合がほとんどになるわけで、個別目標に対する直接照準になります。

榴弾砲は逆で、長砲身にする必要がありませんから、比較的砲身が短く、初速が遅くともよいことになります。
しかし、最近では榴弾砲に対する長射程の要求が強いため、榴弾砲でも長砲身、高初速のものが多くなっています。
結果として、榴弾砲の射程は数キロから数十キロに達し、直接照準はしたくてもできない距離になります。

砲弾の散布も大きくなりますから、榴弾砲は面目標に対する間接照準射撃となるわけです。
これも最近は誘導砲弾の出現などで例外が生じてきていますが。照準となるわけです。

キャノンが砲全体を指さなくなったのは、おそらくカロネードの出現頃かと思います(定かでない)。
帆船時代の装備として、小型短射程のカロネードに対して、大型長射程のキャノンがあったわけです。
この時点では、ともに直接照準だったわけであり、照準は砲尾にかましたくさびや船の揺れによる仰角だったわけですね。懐かしのホーンブロワー。

ロシアのM-30 122mm榴弾砲の諸元調べてるんですが、Google等で検索してもろくな資料に出会えません。何かオススメのサイト等ありましたらご教授願いたいのですが。

ttp://www.britains-smallwars.com/gulf/Iraqiarm.html#m30

にイラク軍の装備として資料が載っています。ごらんの通り、
重量3.15トン、砲身長4.88m、射程14.5kmなどなどです。

「滑腔砲」って何て読めばいいんですか?

「かっこうほう」でも「かっくうほう」でも好きな方でいいんじゃ?
「滑空砲」はまちがいだが。

カノン砲とはどういう物でしょうか?

弾の直径に比べて砲身の長いのがカノン砲、短いのが榴弾砲、チョー短いのが臼砲
でも、榴弾砲の砲身がやたらと長くなり、臼砲の無くなった現代では死語。

(くだらない質問はここに書け!:685)


キャノン砲とバズーカ砲の違いをおしえて下さい

キャノンと言うのは砲の事なので「キャノン砲」という言葉はありません。

ちなみにキャノンというのは普通、火薬の燃焼ガスによって発射される銃砲(要するに普通の砲弾)の事を言います。
バズーカは普通、無誘導ロケット弾のランチャーの事を言います。

(くだらない質問はここに書け!:982)


対空高射砲というやつと、普通の大砲はどう違うのですか?

普通の大砲は、砲身をあんなに上に向けられませんし、いろんな方向にくるくる回せるようにもなっていません。
普通の砲弾は、設定した高度(に達する時間)で爆発するような信管を使っていません。


ドイツ戦闘機 Me262 などに搭載されていたR4Mロケット弾24発って使える、または戦果をあげた兵器なのでしょうか?

R4Mロケット弾は登場時期が遅すぎて、余り戦果を上げることなく終わりましたが、
飽和攻撃兵器として爆撃機に使用するならば効果的な兵器です。

III./JG7による1945/03/18の初使用の時に、28機の攻撃で12機の重爆と
1機の戦闘機を一度に撃墜した戦果があります。
また、3/31には、38機で14機以上を撃墜しました。
このほか、ガーランド率いるJV44では、4月1ヶ月で50機以上の戦果を上げ、多くはR4Mによる戦果です。

戦後、米空軍が爆撃機迎撃のためにミサイル実用化までの繋ぎとして、
2.75インチのロケット弾を搭載したのも、その活躍があったからではないでしょうか。

(27:眠い人 ◆ikaJHtf2)


96式自動擲弾銃ってどういう時に使うつもりで作ったのでしょう?

面制圧には向いてます。
ソ連軍はゲリラ相手に重宝したらしいです。


臼砲って一体どういう砲なんですか?

砲身が口径に比して短く射角の大きい砲で、城や堅固な陣を攻めるのに用いた。


基地の固定砲台って射程はどれくらいだったのでしょうか。戦艦に対抗できたのでしょうか。

旧式艦砲が陸揚げされて使われることが多かった。
艦とちがってローリングしないので命中率良好。
第一次大戦でトルコのボスフォラス海峡の砲台が英戦艦を撃珍している。

まあ一般論だと、だいたい同じ口径、口径長、開発年、
門数の砲で、APを撃てば陸側が勝ちます


昔、スイスのエリコン社からL90輸入してなかった?

L90もライセンス生産じゃなかったっけ?

ライセンス生産品です。
とりわけ、砲身の精度に関しては、オリジナルと同様の精度を出せたのが、
日本の日本製鋼の製品だけだったため、
エリコン社が共同生産を熱烈に希望したのですが、
武器輸出を禁ずる日本の国是に反し、
仕方なくあきらめたというエピソードがあります。


無反動砲とバズーカって違うものですか?

無反動砲は大砲と同じく、火薬の爆発で砲身から撃ち出す。ただ
発射ガスや反動吸収体を後方にも撃ち出して中和してるだけ。
だから砲身にはガス圧が派手にかかる。バズーカはロケットで、
燃料の燃焼によって自分で飛んで出る。発射器はただの筒でよい。


パンツァー・ファウストってなにがすごいんですか?

歩兵が一人で運用できる、圧倒的な攻撃力を持っている、安価
欠点としては命中率他あるとは思うが
歩兵一人一人をを戦車の脅威とした点では脅威の兵器かと。


旧帝国陸軍の大砲の中に,バラしてウマの背中に乗せて運ぶ山砲がありましたが現代戦でも使えるんですかね?

ヴェト=ナムで北の軍隊がそれをやったと思うが。
確か、そういうコンセプトの砲があったような。
今なら、迫撃砲で十分代用可能なのかな。

(39:眠い人 ◆ikaJHtf2)

自衛隊が50年代に専用運搬車も含めて研究してましたが
、現在ではスペイン製やイスラエル製で130kg~140kg
台の120mm迫撃砲が有りますから、その性能を上回るのは難しいでしょう。

旧軍の山砲はバラせば100kg以下に分かれますが、総重量は500kg以上有ります。
それで75mmではチョット太刀打ち出来ないでしょう。


主にWW1で使用されていたPM1910やヴィッカース、MG08、ブローニングM1917などの水冷式重機関銃の冷却用水についてですが、

冷却水を抜くときはどうやって抜くのでしょうか?

M1917だと、銃口に近いジャケットの前端下部に、外部水缶のホース接続口と兼用の、
排水口が付いてる。
ちなみに、ジャケットの後端上部には、注水口がある。
他の水冷機関銃でも、似たような位置に、注水と排水のためのバルブが付いてるよ。

で、貴殿の想像通り、錆の原因になるし、運ぶときは軽い方がいいので、
普段は水を抜いて保管する。


彼が最初に上陸したときにキャプテンクックがボタニー湾に何を呼ぶんでした

電熱化学砲ってどんな大砲のことですか?

装薬を超高温に加熱して気化・爆発させて、その際に発生する膨張圧と爆発力を
利用して弾を発射する砲です。普通に装薬を爆発させた時よりも高速な弾を発射
できると言われています。装薬は確か液体炸薬だったと記憶しています。
ただ、気化させると言っても「気化」程度なのか「プラズマ」までいくのかは、
双方の論説が入り乱れているので何とも言えません。プラズマだとしたら砲身が
持たない気がします。


翼安定式ロケット弾がなかなか実用化されなかったのは何故でしょうか?

翼安定式ロケットが実用化できなかったのは、推定ですが、バランスのとれた
翼を胴体に取り付けることが難しかったからではないか、と思います。
少しでも取付位置を狂わせると、弾道が明後日の方向に飛んでいきますから。

(48:眠い人 ◆gQikaJHtf2)


直径10cm程の大筒はどうやって照準するのでしょう?

完全に目測だけで狙いをつけていると思います。
その構えや角度のつけ方が砲術の流派の秘伝なんでしょうなぁ。
ただ、ああいう腰に構えて打つ大筒は、城の門や壁、櫓などを壊す時に使うので
それほど精密に射撃する必要はないかもしれません。


現代において対空砲なんて意味あるのでしょうか?まず当たらないと思うんですが

地上部隊を攻撃ヘリなんかから守るのには役立つでしょう また地上支援に
ついて低空飛行している固定翼機も格好の目標になります

まあWWIIの時のような高射砲は廃れて殆ど低高度用の機関砲、または大口径砲
でも低空専用になりました

ステルス機でもない限りレーダーつきの対空自走砲の射程距離内に入れば現在でも
酷い目に遭います。

ナム戦での中国軍は持てる銃砲のありったけを進入してきた飛行機に対して撃つという戦法を
取りました。当たる確率は低くても、銃砲の数が多いとバカになりません・・・。

湾岸戦争では対レーダーミサイルでレーダーを潰した跡は高高度から爆撃を行いましたが、
これは低高度に降りて小口径砲の弾に当たるのを防ぐためです。

未来修正量=航空機の速度×弾丸の飛行時間
を対空砲と連動したコンピューターが計算してくれるので、それなりに
命中が期待できます。また、小火器による当てずっぽうな射撃でも
"攻撃されている"というストレスを与えることができ、命中精度を
下げる効果があります。特に後者はヘリの場合ですが。

よりによってステルスF-117が対空砲で墜とされてますが。

(53:ゆうか ◆9a1boPv5wk)


カノン砲のカノンてどういう意味ですか?

カノン砲は30口径以上の砲(砲身長/直径が30/1以上)の砲のことです。

cannonは「大きな筒」をあらわすイタリア語の「cannone」
同じくラテン語の「cane」、
またはアラビア語で「空洞の筒」「笛」をあらわすqanAhを語源に持っています。


155mm榴弾砲の直接射撃で戦車を撃破する事は可能なのですか?

榴弾砲用のHEAT弾とかありますので
第3世代戦車の正面装甲とかでなければ貫通可能です。
車体後部ならどんな戦車でも撃破可能です


低反動砲というのは威力を犠牲にして低反動にしているの?

それとも砲の構造が複雑で高価で砲弾も特殊な物だから低反動なの?

低反動砲という言葉の使い方によりますが、低圧砲でなく、低反動砲なのであれば、
砲の駐退器や砲座の工夫で反動を時間をかけて受け止める、砲口制退器でカバーするなどの
仕掛けになります。単純に砲を重くするのも大変有効です。
全体に砲の重量が増し、体積も増えます。

低圧砲の場合は弾薬が特殊になり、砲弾内に高圧を押さえ込んで徐々に放出することで
砲身内圧を低くし、砲身を薄く、軽くすることが可能になります。

なお、無反動砲はまったくべつのものです。

低反動砲とはどういったメカニズムで反動を抑えているんですか?

  • 駐退機のリコイルスプリングを強力にして、反動に耐える力を増す
  • 駐退機を長くして、反動を吸収する力を増す
  • マズルブレーキによって反動を減らす

この3つがポピュラー。
それぞれ

  • 砲架に頑丈なフレームが必要になる。

 搭載する車両が小さかったり軽かったりするから低反動砲にしてるのに、
 そのせいで余計な重量が・・・。

  • 砲塔内部に余計なスペースが必要になる。駐退機を砲塔の外に出すと、

 砲塔全部が重くなるので重量バランスが・・・。
 当然ながら普通の砲に比べて全体的にかさばる。
 搭載する車両が小さかったり軽かったりするから低反動砲にして(以下繰り返し

  • 発砲した時に派手に発射煙や土煙が巻き上がる。

 発見されやすくなります。
 またマズルブレーキの形状によっては離脱装弾筒(サボ)付徹甲弾、いわゆる
 APFSDS弾が使えなくなる(マズルブレーキに引っかかるので)。

「自緊砲」ってなんですか?

自緊処理(自己緊縛:autofrettage)を施した砲身の事。
製造工程中で、水圧などを利用して、砲身内面に弾性限度以上になるような高い内圧を加えると、
内圧をのぞいた後も変形は元に戻らず、砲身内層には圧縮応力、外層には引っ張り応力が残留し、
砲身内層が外層によって緊縛された状態になる。

この処理によって、砲身の強度が無自緊の場合に比べて格段に向上し、20~60%以上の
腔圧に耐えられるようになる。逆に、その分砲身を肉薄、軽量にする事も出来る。
同時に、内層に残留した圧縮応力は、亀裂の進展も抑制するので、砲身寿命も延びる。

榴弾砲も迫撃砲も擲弾発射機も、敵集団の真上から弾を落として敵を殺傷するんですよね。運用上の違いを教えてください。

榴弾砲:「砲兵」部隊の使う大砲、普通「大砲」というとこれを指す。
 今は150mm代の口径が主流。

迫撃砲:榴弾砲より小型の代わり、発射角度がずっと急な小型の大砲、
「大砲」は砲口(弾の出るとこ)の反対側にある「砲尾」というところから
装填(弾を込めること)するが、迫撃砲は通常、砲口から弾を入れて、砲身の
中を滑り落とし、底にある撃鉄という部品にぶつけることで発射する。

 榴弾砲に比べて射程が短いが、発射角度が急なため落ちてくる角度も急で、
弾の大きさに比べて威力が高い。

「歩兵」部隊の中に設ける「迫撃砲部隊」で運用する。

擲弾発射機:手榴弾をもっと遠くに投げ飛ばしたい、という発想から生まれた
 手榴弾に少量の火薬をくっつけて発射する兵器。
 当初は手榴弾にアダプターをつけて「擲弾」にしたが、そのうち最初から
一体化した専用の弾を使うようになった。

「歩兵」が個人で持ち運んで運用する。

なお特異な区別として、日本陸軍では、迫撃砲を「迫撃砲」と「曲射歩兵砲」に分けてました。
「迫撃砲」は砲兵が扱うもので、毒ガス弾の発射が主用途とされました。
「曲射歩兵砲」は名前のとおり歩兵が扱うもので、
いわゆる迫撃砲として、軽量な前線支援用の火砲として使用されました。

さらに「擲弾筒」というのがあり、構造の実質は手榴弾などを撃てる小型迫撃砲です。
いわゆる擲弾発射機が、小銃などにアダプタを付けて使うのに対し、形が迫撃砲です。
個人で扱えるので、機能的には擲弾発射機の部類でしょう。


どのように検索エンジンは中国のクエリを処理しない

「タテ器」というのもあり、これは典型的な小銃擲弾です。
主な用途は対戦車用のHEAT弾を撃つこと。諸外国でもこの手の対戦車用小銃擲弾は結構ありました。


36i-HM出身の奴がいるんだけど、HMって何の略ですか?

ヘヴィ・モーター、重迫撃砲のこと。
重迫撃砲中隊だな。36連の装備は知らんが、107mmか120mm迫撃砲の中隊

(自衛隊板初質スレ93:447)


日露戦争の映画を見ると、車輪付きの日本軍の大砲が発射の際後方へコロコロと走って行ってますが、あれで正確な射撃は可能なのですか?

砲に「後座」という機構がなく、駐退機もない時代の砲はみんな
あんなもん。
砲陣地を作る時は後ろにスロープを作って、果てしなく転がって
行かないようにしたりした。

で、大砲が転がり始めるよりも早く砲弾は砲口から出ている。
なので精度的には問題にならない。
そもそもあの時代の榴弾砲は砲身が短いこともあって、元々想定して
いる命中精度そのものが低いので。

牽引対戦車砲は発見し難く撃破は困難と言う人もいれば、発射煙ですぐに発見され簡単に撃破されると言う人もいます。どちらが正しいのでしょうか?

的確な陣地を設営して待ち伏せに使えばそう簡単に発見はされない。
ただ、砲口が低い位置にあることが多い対戦車砲は注意しないと発砲時に砂塵を
巻き上げるので、砂漠のど真ん中みたいなところで陣地掘らないで使うとすぐに
発見される。

沖縄の嘉数みたいな洞窟陣地じゃ撃破は困難でしたので・・・
まあ状況と準備次第というところですな。


  • 錯綜した地形、入念な陣地構築

「大変発見し難く、発見したところで撃破は困難」


  • 開豁地形、遭遇戦・非常に応急の陣地

「発射煙ですぐに発見され、簡単に撃破される」

平射迫撃砲(平射歩兵砲ではなくて)なるものが有ると聞きましたが、この平射迫撃砲とはどういう迫撃砲ですか?

その名の通り、水平射撃(直接射撃)のできる迫撃砲。
普通の迫撃砲とは違って砲尾から装填するので、砲口から「入れ落とし」
しなくても発射できる。

構造が複雑且つ重くなるので迫撃砲のメリットを相殺するが、普通の
両用榴弾砲よりは構造が単純で軽く、安価というメリットがある。

地上設置式の迫撃砲でそういう機構付けてもあまり意味がないので、
ほとんどは車両に自走砲式に装備する。

補足しとくと、車裁じゃない普通の迫撃砲でも
トリガーの切り替えで平射(直射)のできるものはある。

砲の根元にトリガーとセレクターがついてて、砲弾落とし入れて
下の撃針に振れると即発射されるか、下まで落ちても撃針は出てなくて
トリガー操作すると撃針が砲弾の雷管を叩いて発射されるかが選べる。
平射する時は後者の操作方法を選べばいい。

ライフル砲って砲弾が回転してカーブするみたいですけど、照準する時にこれって計算のうちに入ってるんですか?

ライフリングを切る目的は、ジャイロ効果で弾道を安定させる事で
開発時にあらゆる条件下で弾道テストをし、その結果を元に射撃諸元を決めます
もちろんライフリングによる弾道変化も反映されて照準を決定します

(343:三等自営業 ◆LiXVy0DO8s)

アヴェンジャーの様な30mm機関砲で貫徹可能なコンクリート厚って、どのくらいでしょうか?

コンクリート製の壁が遮蔽には充分なのかどうか疑問に思いまして。

同じ30mmと言っても、昔のドイツのMK103の30x184B、MK108の30x90RB、MK213C/30の30x85B、
旧日本陸軍の30x114、海軍の30x92RB、30x122 、戦後英国の30x86B、30x113B、ソ連の30x165、
現代アメリカのM230の30mmx113、GAU-8の30mmx173など、いろいろあって威力にかなり差があり
榴弾主体でコンクリートを貫ける徹甲弾が用意されてない物も多い。この中でGAU-8の30mmx173は
その名の通り一番大きく威力がある。
鉄筋コンクリートの徹甲弾に対する耐弾性は均質圧延鋼装甲の半分程度と言われてるが、GAU-8には
通常のAP弾が無く具体的な数値がわからない。ただ、トーチカなどではない一般の建築物程度ならば
簡単にボコボコだろう。
ttp://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=5Iz5MwPsfyo

87式自走高射機関砲というのを見てきたのですが、有用性がいまいち理解できません。

現代の戦闘機に、レーダーで追尾すると言っても通用するものなのでしょうか?

基本的にあの手の高射機関砲は、それ「だけ」で対空戦闘を行うものじゃない。
他の対空装備と組み合わせて、高空から低空までカバーすることになる。

第四次中東戦争では、地対空誘導弾を避けて低空飛行するイスラエル軍機を
エジプト軍の高射機関砲が撃ちまくって相当な損害を与えている。
(ちょっと戦例としては古いか?)

ただ最近のイラク戦争でも、イラク軍の防空網のど真ん中に突っ込んだアパッチが
集中射撃を食ってぼろぼろにされたりしてるんで、あながち無意味ではないと思う。

ただ、やはり射程距離が短すぎる、というのを問題視する向きはあって、それをカバーするために
地対空誘導弾と高射機関砲を組み合わせた兵器なんかを開発してる国はある。
日本はやってないが。

機関砲で今まで最大の口径を持つものは何ですか?

また口径の極端に大きい(100mm以上)機関砲って使えないんですか

ソビエトの57mm対空機関砲かな?

口径の極端に大きい(100mm以上)機関砲って使えないんですか

 そういうものは「速射砲」と呼ばれます。

 いや、大砲を高発射速度にしたものと、口径のでかい機関銃としての
機関砲は別のものですが。

 "機関銃"としての機構のまま極端に大口径化すると、色々と問題が出て
くるので、"発射速度を極端に上げた大砲"として「速射砲」を開発した方が
ずっと便利で砂。

無反動砲の形式にはどんなものがあるの?

クロムスキット式:別名アメリカ式。薬莢に細かい穴が開いており、そこから
 噴出した発射ガスが後方に噴出して反動を相殺する。
 砲の後尾部分が一段太くなっているのが特徴。
 アメリカ以外ではほとんど見ない。

クルップ式:別名ドイツ式。砲弾の後尾から発射ガスを後方に噴出して
 反動を相殺する。
 この方式の砲弾は薬莢がなく弾丸部と装薬部が一体になった砲弾であること
 が多い。
 ちなみにドイツのパンツァーファウストとソビエトのRPG-7もこの方式。

デイビス式:発射する砲弾と同質量の物体(大概は粘土か樹脂)を後方に飛ばす
 ことで反動を相殺する。
 ガスを噴射する方式に比べて後方の危険域が小さいという利点がある。
 また高温のガスを噴出しないのである程度の密閉空間でも使用可能。

バーニー式:別名イギリス式。イギリスのバーニー卿が発明したのでこう呼ぶ。
 基本的にはクルップ式と同じだが、砲の後尾が小さなロケットノズルを何個か
 寄せ集めたような形になっていて、クルップ式に比べて後方噴射が少ない。
 イギリスのBAT砲(BATとは大隊対戦車の略)が有名。というかそれだけ。

低圧砲の原理について。

説明には薬莢と砲弾の間にノズル板を設けて腔圧を下げ、砲身の厚みを薄く出来るとあったんですが、
いくら薬莢前面に穴を設けても装薬が完全に燃焼したら砲身内の圧力はやはり最大になって、結局低圧にはならないような気がするんですが


ここで、ワールドカップは、今年開催されました?

装薬はきわめて速く瞬間的に燃焼するから、発生する圧力は普通の砲も低圧砲も基本的に変わりない。
ただ普通の砲では、砲弾が動き始めた瞬間が一番圧力が高くなる。
しかし低圧砲では発生したガスを少量ずつコントロールしつつ砲身に送り込む。
つまり砲弾が前進してゆく後の空間にガスを送り込んでいる感じ。
だから砲身に掛かる圧力のピークが低くなる。

車に例えれば、
普通の砲は発進と同時にアクセルを一杯に踏み込んで、タイアをきゅきゅっと鳴らしながら出て行く感じ。
低圧砲だと、アクセルをじわっと踏み込んでスローにスタートする感じ。
質問は、どちらでもアクセルを最大に踏み込んだときには同じ馬力だからタイアへの負担は同じでは?
と聞いているようなもの。正解はもう分かったろう。

補足。
ミソは薬莢にあります。普通は雷管が発火し、発射薬が燃焼するとガスが砲弾を押しだし、
砲弾と薬莢にはさまれた空間、つまり薬莢内と砲身後部のガス圧が上がります。

この時、薬莢と砲身の間に境を設けて、薬莢と砲身後部を分け、薬莢内の圧が高く、砲身内は低くするのが低圧砲。
逆に薬莢内の圧力はその分上がりますから、薬莢の強度を大きく取る必要があります。
もちろん薬莢内の高圧ガスも砲身内に出ていきますが、その間に砲弾は前進し、空間も拡がっているので
砲身内圧の上昇はそこそこに留まるわけです。

高射砲は対艦、対地には使えないのですか?

高射砲じゃ両用砲的な運用はできないの?

艦載の高射砲は高角砲などと呼ばれますが、対艦、地攻撃も可能ですよ。
水平方向に撃って味方艦を誤射なんてのもありますし。

じゃぁ高角砲≒両用砲と考えていいのでしょうか?また、だとしたら何故に区別されているのですか?

「高角砲」と呼ばれる砲を搭載している艦は、他に主砲なり副砲なりを搭載しているから。
高角砲しかなければ、それで対水上/対地/対空をやらなきゃならないから「両用砲」

高角砲だけでは、相手の水雷戦隊を排除するには攻撃力が足りない、と判断されていた。
そのため、戦艦には副砲ものせることに。
同じもの戦艦に乗せるときは高角砲、巡洋艦に乗せたら両用砲、と呼ぶのは面倒なので、
高角砲で統一。

「それならアメリカの5インチ両用砲には、本当の両用といえるまでの威力があった?」というと、
そこまではない。「発射速度は速いが、一発あたりの威力の点ではちょっと不満」だったりする。
でもまあそこは持てる国の余力でカバー。

60式106ミリ自走無反動砲の口径はほんとは105ミリって本当ですか?だとしたら74式戦車と同様の砲弾を使用可能ですか?

106ミリ無反動砲の砲弾は、無反動砲用の砲弾を間違えて普通の
砲に装填したり、普通の105mm砲用の砲弾を無反動砲に装填したり
しないように(もし間違えるとどっちのケースでも大事故になる)
わざと"106mm"という数字で制式化してある。

105mm砲の砲弾は戦車砲用も無反動砲用も弾頭と薬莢が一体化されてる
形式なので弾頭だけを共用するということも出来ず、お互いに互換性は
ない。

大戦時に大量に製造されたソ連のラッチュ・バムは大戦後にソ連が友好国に供与して使用されたんでしょうか?

ラッチュ・バムは戦後共産圏や中東などにも供与されてる。
あれは元々「対戦車砲としても使用できる榴弾砲」として開発されたものだし、うまく偽装された対戦車砲を戦車が見つけるのは非常に難しい。
ヴィットマンかカリウスが「対戦車砲1門の撃破は戦車2両の撃破に値する」という言葉を残している。

バルカン砲って、銃身を先細りに束ねているけど あれだとまっすぐ飛ばないのでは?

ガットリング多銃身式のバルカン砲は束ねられた銃身はカム機構によって
回転しながら薬室に弾薬を装填します。
撃発準備をしながら撃発位置に至ると、
決められた位置に来た銃身から一発発砲し、さらに回転してカム機構に連動した遊底により
薬莢が排莢された後、再装填の動作を繰り返すようになっています
つまり発砲するのは常に一発で、多数ある銃身から一斉に発射する事はありません

その発射するポジションにおいて照準線を設定する事は言うまでもありませんが
銃身を束ねる時の角度を調整する事によって撒布界を調整する事は可能です。

(608:三等自営業 ◆LiXVy0DO8s)

臼砲(mortor)は、その形状が臼に似ているからという理由でそう呼ばれるようになった、と聞きますが、具体的に誰が、どの臼砲を見てそう呼んだのでしょうか?

文久元年の頃には臼砲って使ってますね。
鉢砲、モルチール(morter)砲という呼び方もあったようですが。

文久元年(1861年)といえばアメリカで南北戦争が始まった年ですが、
その南北戦争で使われた臼砲(mortar)の写真はCivil War Mortarで検索すれば見れます。
砲身の長さと直径が同じくらいで、まさに「石臼」って感じですね。

蛇足ですが、高島秋帆は、其の手の砲をモルチール筒と書いていましたね。
天保12年(1841年)の徳丸が原での公開演習の記録でも、そう書かれて居るみたいです。
天保3年(1832年)の輸入記録にもモルチールと書かれています。
この砲を国産化した、佐賀鍋島家辺りかとも思いますが…。

(313:眠い人 ◆gQikaJHtf2)


なぜ対戦車砲はしばしば他の任務の砲によって代用されるのでしょうか?

ドイツ軍の88mm高射砲やイギリス軍の25ポンド野砲などが対戦車砲任務に従事したことは有名ですが

対戦車砲が開発された時点で、戦車の装甲を見てそれを貫徹できるものとして
必要十分な威力を算定する。必要以上、過剰、は値段を上げ、調達数を減らし、
重量を増やし、運用を困難とする。二次大戦の初期においては37ミリでも対戦車
砲として役割を果たせる程度に戦車の装甲は薄かったとも言える。

しかし戦車の装甲が急激にインフレを起こすと設計にも製造にも手間のかかる新
型砲というものが時間的にも数量的にも間に合わなくなる。そのときに「別の任務
のために」より高初速だったり大口径だったりする砲があれば、砲弾を調達してや
れば、対戦車任務にも充当できることになる。

対戦車砲が野砲の任務を兼ねることがしばしばある(つまり対戦車砲でも間接射撃は十分実用的なレベルに達している)のであれば、なぜ野砲が対戦車任務に従事するエピソードの多さと比べて対戦車砲が野砲の任務に従事するというのはあまり聞かない、のでしょうか?

453氏も指摘しているが、仰角の制限により射程は短くなる。対戦車砲ではなく戦
車砲ではあるが、朝鮮戦争では土を盛って作った斜面に戦車をのせて、野砲代
わりとして運用した例もあるが、そもそも高価値、あるいは高脅威である敵戦車の
撃破のために短い砲身命数を受け入れている戦車砲/対戦車砲を、数を撃ってナ
ンボの野砲のように運用するのはコストや効率の面で不利となる。

(639:ふみ ◆Y.QUKJBduY)

野戦榴弾砲を直接照準で持って、対戦車戦闘や歩兵戦闘に使用した例などはあるのでしょうか?

 ごく普通に有ります。自衛隊で使われていた105㎜榴弾砲にはHEATが用意され
てましたし、現在でもドイツのPzH2000には直接照準用レーザー測距器まで付いて
ます。

T-34ショックが起きた最初の遭遇戦では、味方の戦線を突破したT-34を陣地の重砲で止めを刺している。
対抗できる対戦車砲がなければ、重砲を使うしかない。


牽引榴弾砲を見て思ったのですが、わざわざトラックで牽引するぐらいなら最初からトラックと一体化した方がいいのでは?

文字通り、トラックに砲積んだだけみたいなのが最近流行ってますが、
牽引砲より高い、牽引砲の方が空輸等が楽、といった弱点もあります。
また、装軌式自走砲に比べると、走破性、速射性、防御力も劣ります。
半端と言えば半端なわけで。

ちなみにまとめておくと、

装軌式自走砲:PzH2000とか
装輪式自走砲:砲塔があり、装甲もそれなりにある。能力も高い。DenelのG6みたいの。
装輪(トラック)式自走砲:砲塔なし。装甲も一部に限られ、能力低い。カエサルみたいの。
牽引式自走砲(補助動力付き):限定的にゆっくりだが動ける。
牽引式自走砲(動力なし):引っぱって。

(665:system ◆systemVXQ2)

列車砲ってなにが良くて作られたの?

列車砲は列車に戦艦の主砲並みの砲を搭載したもの
搭載重量の大きさから大口径の火砲が搭載でき、要塞攻撃などに用いられる。
線路の発達したヨーロッパではそこそこに活躍。

列車砲というのは基本的に攻城兵器で、列車に載せることで大口径の砲を望む場所に移動させて敵の要塞や都市に巨弾を叩き込むことができる。
また普段はトンネルなどに隠しておいて、必要なときに引き出して撃つというやり方で固定式の砲台のように位置をさとられて攻撃されないようにすることもできる。
運用の際はカーブした線路をひいてそこを移動することで射界を広くできる。
飛行機が生まれてからは次第に爆撃機に取って代わられたけど。

後段についてはそれは列車砲じゃなくて装甲列車の付属車両。
装甲列車はパルチザンなど敵の攻撃から輸送路である線路を守るために装甲を施し榴弾砲や対空砲などを載せた列車。
四号戦車の砲塔を載せた台車は敵が戦車を持ち出してきたときに反撃できるように付けられた。

対空砲は地上攻撃にも使えるんですか?

アフガンでゲリラ相手に、発射速度の速い対空火器を持つ対空戦車が大活躍した。

アメリカの歴代の対空自走砲(M15.M16、M42、M163)は
みんな対地射撃に使われてむしろそっちで大活躍してる。

世界最大射程、もしくは世界最大口径の砲って何でしょう?

湾岸戦争時にイラクで開発されていた通称「スーパーガン」は、かつてドイツで開発された
多薬室砲の理論を応用したもので、バグダット北方のジャバル・ハムリンに設置された実物は
砲身全長50m、口径350mmで最大射程は実に700kmといわれました。
イラクではさらに口径1mの超大型のスーパーガンを制作していたとされます。
ちなみにドイツの多薬室砲とは、砲身の左右に多数の薬室をくっつけ、発射された弾丸を
薬室を順番に点火することで弾丸を加速して高初速を得ようという物で、カレー付近に設置された
一号砲は砲身長150mで射程300kmを狙いましたが、テスト段階で連合軍の爆撃により
使用不可能になりました。

実戦に用いられたものでは、同じくWW2時のドイツで28cmK5(E)列車砲の内筒を削って
口径31cmの滑腔砲としてペーネミュンデ矢弾と呼ばれた翼安定装置を持つ長距離弾を
使用可能にしたK5グラトが射程151Kmを達成し、終戦直前にボン近郊に布陣した2門が
マースリヒトを砲撃しています。

薩英戦争で使われたアームストロング砲というのはどのくらいの威力があったんでしょう?

彰義隊の戦争で使われたのと同じくらいなんでしょうか?

薩英戦争で使用された英国艦船装備のArmstrong砲と、彰義隊相手に使用されたものとは
全く違います。
前者は確かに、火災などを発生させはしましたが、21門から365発の砲弾を発射したのに、
14発に1回は故障を起こしたため、英国海軍は後装式から再び前装式施条砲に戻っています。
彰義隊相手に使用したものは、本当にArmstrong砲かどうかは不明です。

どちらにしても、口径からして違いますから、威力の優劣というなら、後者が劣ると言わざるを
得ないと思いますよ。

(203:眠い人 ◆gQikaJHtf2)

薩英戦争で使われたのは、110ポンド砲アームストロング砲。ライフリング付き後装砲で
50kgの炸裂弾を約4kg飛ばせた。これは当時の最大の砲68ポンド砲が30kgの丸弾を2.3km
程度しか飛ばせなかったのに比べると圧倒的な性能差だった。



ただ薩摩藩にとって運が悪かったのは、英海軍がアームストロング砲を装備していたのは
ほんのわずかの時期なのに、そこで戦争をすることになってしまったこと。1860年に装備され、
1863年の薩英戦争他での事故多発が原因で翌年には廃止され、その後20年以上後装砲は
使用されなかった。

初期のアームストロング砲には尾栓の構造に問題があり、砲身が過熱して膨張すると尾栓が
割れたり吹き抜かれたりして大事故になった。


手回し式のガトリング砲ですが、どんな欠点があったのか教えて下さい。

あとあれは南北戦争の惨状に心を痛めたお医者さんが発明した人道的兵器って本当ですか?

硝煙が立ち込めて周りが見えなくなる、弾詰まりを起こしやすい等の難点があったそうです。

弾速が速れば当たっても突き抜けて(比較的)害が少なくて済む事もあるのですが、
南北戦争当時の弾は低速大口径で、当たると潰れながら周辺を無茶苦茶にすると言う物でした。
製作者は鉄道駅で運ばれてきた負傷兵達に行き会い、あまりの悲惨さに
(当時は低速大口径弾で当たると潰れながら運動エネルギーを人体内で全て消費するような代物)
「北軍が強力な兵器を保有すれば、南軍は恐れて攻撃をしなくなるのではないか。そうなれば犠牲者は減る」
と考え、ガトリングガンを作ったと手紙を書いてます。

取り回しが大砲に順ずるものでありながら、射程が小銃並みってのがどうにもならない欠点
歩兵の機動にまるで付いていけず、防御ではそこそこ使えたが、背が高く、防盾がないため、集中射撃で無力化してしまう代物だった
また、黒色火薬を使用していた頃の銃器であり、動作信頼性が低く、故障が多発していた
ガトリング砲を含めた手回し式機関銃の信頼性の低さは、マキシム以降の機関銃の普及に悪影響を与えるほどだった

日露戦争の大砲って撃つと後退しますけどあれは何の意味があるのですか?

三一式速射野山砲は駐退復座器がないので、発射反動を吸収するには後退するしかない。

L-90とかVADSは水平射撃時に89式装甲戦闘車クラスの装甲を抜けるのかな?

エリコン35mm機関砲用の徹甲弾の装甲貫通能力は1000mで80~60mm。
これに耐えられる戦車以外の装甲戦闘車両は限られた種類しかない。
というか89式FVも耐えられんだろ。

VADSの20㎜機関砲弾はもっと威力は低いけど、3000発/分の発射速度で食らったら、
やっぱり戦車以外の装甲車両で耐えられるのは限られた種類しかないだろうな。



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